四季の飼育法
春
冬眠から目覚める季節
水温 春

春は、鯉が冬眠から目覚める時期です。冬の期間、少量しか餌を与えなかった鯉は、消化器官の機能が低下しているので、すぐに通常の量は与えないでください。
水温12度前後から消化の良い餌、例えば、麦を炊いたものか、当社が開発した高タンパクで消化吸収率抜群の「胚芽入特飼料」を少しずつ与えます。目安としては1日1回で、まだ欲しがっているような状態で給餌を止めるほうが安心ですし、それで十分です。
水温が18度を超えるようになると、1日3回くらい与えてもかまいませんが、食べ残しがない程度の量を与えることが大切です。
この時期は、水温の上昇と共に鯉の泳ぎも活発になるので、水の汚れに注意して早目に濾過槽を掃除し、病気予防のための薬剤散布も必要な時期です。

 

 

餌を食べ始める
夏
飼育の本番
水温 夏

水温が20度以上になれぱ、飼育の本番です。大きくしたい鯉には、タンパク質をたくさん含んだ「胚芽入特飼料」を、めいっぱい与えましょう。しかし、餌食いが盛んになると固時に、酸素不足になりやすい時期です。エアレーションを十分行ないましょう。
さらに、水温が高くなることで、植物プランクトン(アオコ)が異常発生して、青水になりやすい時期です。「紫外線殺菌灯」をつけて、アオコの異常繁殖を抑えます。
また、あまりに強い陽射しは、錦鯉飼育にはよくありません。池の3分の2くらいに日陰を作ったりして、紫外線から錦鯉を守ります。
この時期はまた、池や濾過槽が汚れやすく、管理を怠ると、水質が悪化しやすいので、濾過槽のチェツクなどをこまめに行ないましよう。さらに、ぺ一ハー(水素イオン濃度)、亜硝酸濃度、溶存酸素値などを簡易試薬で定期的に検査して、飼育環境を把握することも重要です。

選別風景

秋
食欲が旺盛に!
水温 秋

秋の涼気が感じられるころになると、鯉にとっても食欲が旺盛な時期となります。魚体の肉づきや、色艶もこの時期に良くなります。秋にしっかり餌を与えることによって、越冬に耐える力を蓄えさせるためにも1日に3~4回投餌してもいいでしよう。しかし、常に食べ切る量にとどめるよう心がけ、冬に向かって水温が下がり始めるにつれて、餌の量も回数も少なくしてください。
また、この時期には春から自然の広大な野池(堤)に鯉を大きくする目的で、放流して育てていた錦鯉を取り上げる「池揚げ」が行われます。約半年間、自然環境の中で育った鯉たちは、天然の餌を食べて広い池で十分運動しており、太く逞しくなって見違えるほどきれいになっています。

 

当場の池上げ風景
冬
冬眠の季節
水温 冬

本格的な冬になって、鯉が池底で動きを止めるようになると、いよいよ冬眠に入ります。
その準備として、餌を少しずつ減らしていきます。そして、水温が10度以下になったら、低水温用の飼料に切り替えてください。そして週に1~2回、なるべく暖かい日を選んで、わずかな量を与えます。 そうすることで、冬眠中でも鯉の消化機能を少しでも働かせることになり、春の餌付けがスムーズにいきます。
水温が8度以下になる地域では、加温の設備が必要です。池に覆いを掛けたり、加温器具(ボイラーやヒーター)を取り付けたり、あるいは温かな地下水の量を増やす方法もあります。
また、水温が低い季節ですので、鯉の体力も落ちます。病気にかからないように鯉の動きに十分注意しましよう。
保温の工夫をしましょう

 

 


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