良質の池作り

まずは、良い池を持ちましょう

錦鯉を飼いはじめたほとんどの方が、まず「良い鯉が欲しい」と思われます。錦鯉にはいろんな種類があり、一つの品種の中でもまったく同じ模様がみられないほど、バラエティに富んだペットです。「あれも、これも」と欲しくなるのは、もっともなことです。
しかし、錦鯉を飼育する環境・・・つまり池(水槽)を用意しなくては、錦鯉は飼えません。しかも、その池がただの水たまりであってはならないのです。
住みやすい環境を作ってこそ、錦鯉はすくすくと成長して、長く楽しめる趣味となります。
まずは、良い池を持ちましょう。良い池とは、大きな池のことではなく、小さくとも、錦鯉に適した水を作る機能を備えた池です。水作りがきちんとできた池は、その大きさに関係なく、鯉が順調に成長します。


水作りは濾過槽(ろかそう)にあり

錦鯉に適した水作りは、濾過槽と呼ばれる部分で行います。鯉の排泄物や餌の残りなどで汚れた水を濾過槽へ入れ、その中で水を浄化して、再び池に戻すことを「循環濾過」と言います。池は閉鎖された小さな水空間ですので、鯉の体調を維持するためにも、濾過槽は必要です。また、その大きさは池水量の5分の1以上あれば理想的と言われています。
しかし、場所に余裕がない場合は、メーカーが造った濾過機や濾過槽を用いることも可能です。  濾過槽での浄化は「濾過バクテリア」と呼ばれる微生物が行いますが、それにはバクテリアのすみかとなる濾材が必要です。以前は砕石や川砂が多く使われていましたが、近年は人工濾材が主流になっています。
例えばブラシが円筒状になっている「ロール濾材」は、バクテリアが付着しやすいように表面積が広く、また汚れた際には洗浄しやすい構造で、人工濾材の人気ナンバーワンになっています。濾材に付着したバクテリアは、濾過槽を通る汚れた水をキャッチして、汚れを分解して綺麗な水にします。言うなれば、自然界の河川の浄化作用を、濾過槽の中で再現しているわけです。
また、鯉やバクテリアのためにも、十分な酸素の補給が必要です。したがって、酸素を補給するためには、エアーポンプを用いて、エアレーションを行ないます。


池は千差万別です

日本中に多くの池がありますが、一つとして同じ池はないでしょう。どんな池を造るかは、家の構造や庭の大きさ、土地柄や気候に大きく左右されます。大きな庭があれば、石組みを配した和風池や、芝生の映えた庭には四角い洋風池を、と飼育者の好みでどうぞ。
なかには庭を持たれない方もいらっしやるでしよう。そんな方には、ベランダでも飼育可能なFRP池があります。強化プラスチック製のFRP池は、濾過槽と池がセットになったもので、ベランダの大きさに応じてさまざまな種類があります。30~40cmの大きさの錦鯉までなら飼育できますし、なかには50cmを超える鯉を飼われている方もいます。
インテリアとしてのガラス水槽飼育も人気を呼んでいます。主に熱帯魚の水槽システムを流用しますが、メーカーによっては錦鯉用としてアレンジしたものもあり、機能的には十分です。


理想の池とはどんな池?

飼育する池は、さまざまな状況によって千差万別ですが、理想とされる池について述べていきましょう。
まず、1日のうち3~5時間ほど日光が当たり、タ陽がなるべく差し込まない場所が適しています。池の大きさは、飼育する鯉の大きさや庭のスペースによって異なりますが、水深は最低80cm程度は必要です。また、池の形状は、長方形の四隅を丸く象った、いわゆる弁当箱型の池が水の流れがスムーズになり、澱 (よど)みの部分が出来ない形ですから水の浄化も安定し、一番管理しやすいと言われています。
では、逆にどんな池がよくないのでしょうか。それは水深が浅く、気温の上下に直接影響されて水温が安定しない池や、水温が上昇すると水が濁るので、たびたび水を換えなくてはいけない池です。そのような池では鯉の成長が悪く、病気にもかかりやすいので、このような現象がおこる池は、すぐさまプロのアドバイスを受けたほうが賢明です。